マルチモーダル多階層ルールベースによる適応的学習支援ロボットサービス環境の開発

課題概要

研究補助期間:2022年度~2024年度

本研究の目的は,パターン認識や機械学習により得られる信号レベルの認識結果を専門家の知識と一致するよう複数の階層をもたせたマルチモーダル知識記述と専門家の業務知識適用行動を再現する環境の実現である.本研究では,教科「英語」の授業における対話練習場面の行動選択に注目し,専門家である教員免許をもつ教員(教師),教職課程の教育を担当する大学教員が持つ暗黙的な行動選択知識の説明可能化を目指す.本研究では,“より意欲的に学習に取り組ませたい”といった抽象度の高い教師の要求と教師が学習者の様子を観察して教授するために行う行動選択の基準を評価モデルによって明らかにする知識接地手法を実現する.この評価モデルは,特徴量である評価指標の基準が明らかとなるモデルとなることから,教師の行動選択基準を一定の基準で言語化して得ることにも寄与できると考えられる.
本研究では,音声からの自然言語処理と画像からの行動認識が統合した教師の教授法をルールベースとするロボットサービス実行環境を基に,以下のように段階的に開発を行っていく.1)マルチモーダル多階層ルールベースの作成支援インタフェースの開発,2)学習者の習熟状況とルールの適用状況を記録して評価を入力する教師向けインタフェースの開発,3)マルチモーダル多階層ルールの適用基準を適応的に変化させるロボットサービスの開発を行い,それぞれの手法について評価実験を行っていく.
また,本研究では,ロボットサービスを利用した一連の知的教育支援のほか,ルールベースとして明らかとする教授法の適切さを確認することを可能とする.
[KAKENHI交付申請時の研究の概要・目的を合わせて,一部編集済み]

成果リスト

2023年度

  • 阿部秀尚「英語教育支援のための対話練習教材作成における大規模言語モデルの活用」,情報処理学会関西支部 第19回行動変容と社会システム研究会,p.1-4, 2024.03.05
  • 阿部秀尚「マルチモーダル教師業務ルールベースによる英語教育支援ロボットサービスの開発」,人工知能学会 第129回知識ベースシステム研究会,pp. 73-76,2023.8.6

2022年度

  • 阿部秀尚,池田啓太,堀内大希:「階層的マルチモーダル業務ルールベース構築のためのインタフェースシステムの開発 -英語教師業務支援を対象として-」,情報処理学会第85回全国大会,6B-02,2023. 3. 4

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